農薬混入餃子と食料自給率について
日本人の『食』を取り巻く大きな問題
「手作り餃子」は果たして安心?
先日、買い物から帰ってきた母が「餃子の皮とニラとひき肉が売り切れてるのよ」と言っていました。何のことはありません、例の冷凍餃子農薬混入事件の影響のようです。既製品の冷凍餃子は信用ならないから、じゃあ手作り餃子を、ということで材料の皮やニラなどが売り切れていたようです。
たしかにここ数年連続している、さまざまな食品偽装の発覚に加え、この農薬混入事件は私たちに『食』に関する問題を考えさせる大きなきっかけになっているようです。
しかし、冷凍餃子を買い控え、代わりに餃子の材料を買ったとしても、その餃子の皮は安全なものなのでしょうか。餃子の皮の原料である小麦の自給率はなんと14%(平成16年)という非常に低い数値であることを考えれば、やはり原料は輸入品である可能性が高いということになり、結局は同じことのようです。
異常に低い日本の食料自給率
小麦によらず、昭和40年に73%であった日本の食料自給率(カロリーベース)は、平成16年には40%と急速に低下しており、この数字はフランスの130%、アメリカの119%、イギリスの74%と比較して分かるとおり、異常なほど低いといえます。
この先進各国との差は、そもそもの食料自給への思想の違いが現れているものだそうです。ヨーロッパ諸国では、国同士が陸続きであったことから、過去に何度も戦争により侵略されたり侵略したりといったことが繰り返されてきた歴史があるため、有事の際にも自国内で食料をまかなえるようにといった、『食料安保』の思想が根付いているのだそうです。たしかに、日本のように約60%の食料を他国に依存しているようでは、平和な時代ならよいですが、いざというときにどうするんだろう・・・といった不安がありますよね。食の安全ということで、有機栽培の野菜や無農薬野菜などの商品が人気を集めている昨今ですが、そんな生易しい、悠長な話でもなさそうです。
また、小麦に代表されるように、昨年あたりからさまざまな食品の値上げが相次いでいます。このことも、仮に食料の自給率が他の先進国並みであったならば、これほど大きな影響を受けることもなかったのではないでしょうか。 「じゃあ、自給率を上げればいいじゃないか」という意見もありますが、現在の農業の担い手は、実に半数以上が65歳以上ということもあり、後継者への技術承継の問題なども懸念されており、短期的な解決は難しいようです。
多少値が張っても「国産品」を!
しかし、かといって自給自足の生活には戻れませんし、私たち一般消費者ができることといえば、「少しでも安いものを、安けりゃなんでもいい」という考えは改めて、「多少高くても地元産のものを、国産品を」といった考えを持つことが大切なのではないでしょうか。小さなことのようですが、そのことが国内の生産者を間接的にでも応援することにつながり、将来的には自分たちの食の安全を守ることにつながっていくのだと思います。
最後に余談ですが、現在農家では規格外の形の悪い野菜などを選別して、その多くを廃棄してしまっていると聞きますが、そういった野菜をあちこちから集めて低価格で専門店として販売するといった商売はビジネスとして成立しないでしょうか?こんな時代ですから、出所がはっきりしていて安全だと理解してもらえば、多少形がわるくても買う人はたくさんいると思うのですが・・・。
