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株式会社根子左

安全・安心な自然素材にこだわり、左官・塗装・リフォーム工事を通して快適で健康な居住空間を提供

 株式会社根子左は、ビル・学校・公共施設などの壁や屋根の塗装・吹付、個人住宅のリフォーム工事などを行っています。
 平成25年3月28日、本社を訪問し、根子清代表取締役にお話を伺いました。




左官業界の徒弟制度と当社のあゆみ


 岩手から茨城に移り住んだ根子市左エ門氏(根子社長の実父)が、昭和33年、日立市で左官業を始めました。
 また、根子社長は学校卒業後、20歳の時、家業に従事しました。その当時を振り返り、根子社長は次のようにおっしゃっています。


「左官業界には昭和45年頃まで『徒弟制度』があり、親方の家に住み込み、雑用をしながら技術を学んでいました。衣食住は保証されていたものの賃金は支給されず、小遣い程度の月収でした。『年季5年礼奉公1年』と言って、左官業界では無給で5年間働いた後、親方へのお礼としてもう1年間、職人より低い賃金で働くのが普通でした。一人前の職人になればサラリーマンの月給を超えるくらい稼げた時代だったので、この6年間は早く技能を覚えようと必死で働きました。」


 昭和46年12月、有限会社根子左工業を設立、根子市左エ門氏が代表取締役に就任しました。
 平成4年12月、株式会社に組織変更し、平成7年、根子清氏が新代表取締役に就任しました。



漆喰系珪藻土壁材「エコ・クィーン」と職人魂


 漆喰系珪藻土壁材「エコ・クィーン」の主な原料は、珪藻土と消石灰(注1)で、自然素材を100%使用する安全・安心の塗り壁です。わずか3mmほどの塗り厚さで、空気中の有害ガスや臭いを中和し、室内を快適な湿度に保って結露やカビの発生を防ぎ、汚れがつきにくく、室内の空気を浄化するなど、さまざまな優れた効果を発揮します。


(注1)珪藻土は、植物性プランクトンの珪藻が死んで水底に堆積し化石化したものです。また、消石灰は、珊瑚などの化石化した石灰石を高温で焼いて水を加えたもので、固化材として使用します。


 「エコ・クィーン」は、仕上げの出来が気象条件に左右されることから作業の難易度が高く、失敗すると色むらが発生してしまいます。「難しいからこそ、何とかして良い仕上げにしよう」と、職人の皆さんは日々研鑽に励んでいます。



経営理念と人材育成


『住む人の健康と喜びと幸せと夢と豊かな住生活を実現する。』
という経営理念に基づき、同社では主に高校卒の人材を毎年採用し、若手職人の技能向上に力を注いでいます。根子代表は、その理由について次のようにおっしゃっています。


「左官業界では、徒弟制度により親方から厳しく育てられた腕のいい職人が、60歳を超えてどんどん辞めています。左官は技能習得期間が長いため若者に嫌われ、若者が就職してもすぐに辞めてしまう。このままでは、優秀な技能を持つ職人がいなくなってしまいます。」


 同社では、新入社員を一人前の職人として養成するため、入社後5年間、親方が新入社員の指導研修に当たっています。
 また、資格取得や研修会参加のほか、若手職人の技の晴れ舞台である技能五輪全国大会(注2)への出場を奨励しています。


(注2)技能五輪全国大会(厚生労働省、中央職業能力開発協会主催)では、原則23歳以下の者が、機械組立て、左官、美容、洋菓子製造、ウェブデザインなど40の職種において技能を競います。



左官職人の仕事へのやりがい、左官の魅力とは


 左官職人の仕事に対するやりがいや左官の魅力について、根子社長は次のようにおっしゃっています。


「仕上げが難しい壁を塗りこなしてこそ、職人としての腕の見せ所で、若い職人にはマスターしたときの達成感やお客様に感謝される喜びを味わってもらいたい。また、左官の仕事は、壁を美しくきれいに仕上げ、住む人に喜ばれてこそ次の仕事につながり、左官業界の発展にもつながります。」


 今回の取材では、年度末のお忙しいところ長時間にわたり、根子社長から大変熱心にお話をいただきました。
 同社のますますのご発展をご祈念申し上げます。


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