元気企業
2016年07月
清水機電株式会社
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代表取締役 清水 憲樹 創業 平成7年 事業所 坂東市逆井4112-56(本社・工場) 事業内容 キュービクル式高圧受電設備、配電盤、制御盤、分電盤の設計・製造・販売売 電話番号 0280-88-7023
清水機電株式会社は、坂東市逆井に本社・工場を構え、建設工事業者を取引相手として、変電設備や各種配電盤・制御盤等の設計から販売まで自社で一貫して行っています。また、新品の販売のみならず、再生品の販売やリースも行っております。
平成28年5月24日、坂東市の本社・工場を訪問し、清水憲樹代表取締役にお話を伺いました。
当社のあゆみ
坂東市の本社・工場
その後、工事部門と製造部門を分離独立、平成7年に、変電設備や各種配電盤・制御盤等を製造する会社として清水機電㈱を設立し現在に至ります。
「独立当初は、取引基盤もなかったため、どのように営業したらいいのかも分からず電話帳を片手にひたすら営業の電話をかけ続ける日々でした。」
清水社長は当時を懐かしそうに振り返ります。
清水社長は獲得した1件1件の仕事を丁寧にこなし、現在では関東一円と東北地方まで取引先を拡げるまでに飛躍されています。
事業内容
当社の扱うキュービクル式高圧受電設備(キュービクル)は、発電所から送電される6,600ボルトの電気を100ボルトや200ボルトに変圧する受電設備です。一般家庭で使用される電気は電信柱に備えられた変電設備で変圧されますが、その変圧能力には限りがあります。そのため、大量の電気を使用する工事現場や商業施設、ビルなどでは必須の設備となっています。当社の主な取引先は建設工事業者で、道路やトンネルなどの工事現場や、マンション、ビルなどの建築現場で工事期間中に使用される仮設のキュービクルを主に取り扱っています。
「仮設といっても、求められる品質や耐久性は、商業施設などの建物の竣工後に使用される変電設備と全く変わりません。キュービクルは高電圧の電気を24時間休み無く受電変圧し続けるので、その内部にある配電盤・制御盤・分電盤などの部品には、高い品質が求められます。一方で、仮設設備では取引先である工事業者の現場の都合に合わせて短納期で製品を納めるスピードが要求されます。」と、清水社長はおっしゃいます。
キュービクル式高圧受電設備
キュービクルの中身
建設業者のニーズに合わせた当社の強み
当社では、取引先の工期の都合に合わせ最短2~3日で顧客の仕様に合わせたキュービクルを出荷できる体制を整えており、そのために数々の工夫を行っています。当社は業界でも珍しく、設計、板金加工、筐体の組み立て、変電設備の組み入れまで一貫して行える体制を整えており、製造工程の大半を内製化しています。組み立ても8名で行うので、素早く仕上がります。このように、極力外注に頼らず作業の内製化を進めることで、顧客の要望に合わせた短期間での納品を可能にしているのです。
工事現場ではクレーンや掘削機、加工切断に使う機器など様々な道具が使われており、電気使用量や工具の種類に応じて設備の仕様を変える必要があります。「工事に合わせた特別な回路を組んで欲しい」という要望には、新品をオーダーメイドすることで対応し、「限られた予算の範囲内で対応してほしい」という要望には、再生品の販売やリースで対応しています。リースは毎月の支出を一定にし、費用負担を軽減するだけでなく、工事の日数分だけの費用で済ませることができます。
工場内を見渡すとたくさんの製品や部品が並んでいましたが、それは突然の受注に迅速に対応できるようにするためなのだそうです。
溶接作業風景
いつでも生産体制に入れるために
在庫品を準備している
苦しかった先行投資時代
建設業界は好不況の影響を大きく受ける業界です。「リーマンショックの時は大変苦労しました。リース用のキュービクルを先行投資していた矢先の急激な景気後退だったので、売上がない中で先行投資にともなう借入金の返済だけが先行していきました。雇用を守るために助成金を申請し、従業員には休暇を増やすなど、とにかく経営者としての責任を果たすために必死でした。そんな不安定な時期を乗り越えて、従業員はよくついてきてくれたと思います。」と、清水社長はおっしゃいます。
今後の先行きについても、震災復興やマンション建設ブーム、オリンピック需要などで 当面は明るいですが、リーマンショックのような経済危機はいつやってくるか分かりません。そのためにも、堅実な経営と背伸びをしない先行投資を心掛けているそうです。
人材の育成
組み立て作業風景
「現在、普通科卒業の新卒採用を積極的に行っています。電気工学を学んだ学生は数が少なく確保が難しいのですが、現場には実技を学べる体制が整っており、普通科を卒業した学生でも2、3年で資格を取ることも可能です。」と、おっしゃいます。
若いうちから現場の先輩に教わることで、電気工事施工管理技士や電気主任技術者、電気機器組立て技能士などの高度な電気技術の資格を取得に結びついています。このような現場を通じて人材を育成する体制が、品質の向上や顧客の要望へのきめ細かい対応を可能としているのです。
おわりに
当日取材に行って印象的だったことは、「信用が第一」という清水社長の言葉でした。たとえば、落雷などの不測の事態で設備に不具合が生じた場合でも、電気が届かないお客さまに少しでも早く安心していただくために、社長自ら東京や仙台などの遠方に向かうこともあるそうです。清水社長は、「会社は信用が第一です。一度失った信用を取り戻すことは大変なことなのです。」
と語り、その真摯な対応が取引先の方々に支持されているのだと感じました。
今後もますますの発展をお祈り申し上げます。
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