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ステノGROUP (株式会社エンドウ、株式会社プロスパー)

常に目線を高く持ち、日本一の飲食店経営を目指す

遠藤泰生社長

 ステノ GROUP  【http://steno.jp/
 (株式会社エンドウ、株式会社プロスパー)
 代表取締役社長  遠藤 泰生
 事 業 内 容 /飲食業、ホテル業
 創       業   /大正7年
 店    舗
   ホテルステノ   水戸市南町1-3-18
    ビストロエンドウ     同  上
    梅み月       水戸市見和1-311-7
    がんこ家笠原店 水戸市笠原町1189-1
    がんこ家赤塚店 水戸市石川3-4135-17
    和牛食堂     水戸市見和1-309-4
    いろはに食堂   水戸市末広町2-4-28 

 こだわりと多様化で茨城の食材を提供

常陸秋蕎麦の十割蕎麦(梅み月)常陸牛のコース(和牛食堂) 月に何度かはある外食の機会。それは同僚とのランチであったり、仕事帰りの一杯であったり、または家族との食事であったりと様々でしょう。そして当然そのシチュエーションに応じて入る店も予算も変わってきます。
 このように多様な顧客のニーズに応え、こだわりをもった茨城産食材を中心としたメニューを提供して成長を続けているのが、水戸市を拠点とする「ステノグループ」です。
 現在同グループは、「ホテルステノ」と同ホテル内での洋食レストラン「ビストロエンドウ」を営業する「株式会社エンドウ」と、そして和風飲食店を5業態6店舗営業する「株式会社プロスパー」で構成され、多彩なサービスを提供、現在グループ全体での売上高は10億円余りに達しています。

 「我が社は洋食レストランとして大正7年に創業しましたが、以降現在まで常に上のレベルを目指して努力してまいりました。これからも〝おごらず、迷わず、あきらめず〟の精神で多くの人に愛される店づくりを行い、お客様と共に歩んでいきたいと思っています。」
と三代目遠藤泰生社長は語ります。

 

 洋食屋からホテル業に進出

 

リニューアルしたホテルステノ 同グループは、大正7年に水戸市旧県庁舎近くで「エンドウ食堂」としてスタート、水戸市内初の洋食レストランとして時代の先端を走っていました。しかし、時代の流れと共に洋食屋だけでは成長は困難になりつつありました。
 こうした中で、約30年近く前に現遠藤泰生社長が、縁により二代目社長(遠藤桃平氏)の婿養子としてこの食堂に従事することになります。
 「私が東京から水戸に出てきたときのエンドウ食堂の印象は、老舗ではありますが〝古い洋食レストラン〟というイメージでした。」と遠藤社長。
 「最初の数年間は、肉の配達を行ったり、厨房で料理を覚えることに専念しました。そして、同業者と接する機会を多く持つ中で、当時の飲食業界のレベルはサービス面でまだまだ向上の余地があり、そこにビジネスチャンスがあると実感しました。」
 そして、昭和63年に一つの転機が訪れます。老朽化した店舗を建て直す計画の中で、ホテルを建て、その中にレストラン(洋食店)も併せて営業することとしたのです。
 「このままでは尻つぼみになってしまうという危機感がありました。他に何ができるかと考えたときに、飲食業界と関連性があり収益性も高い点から、ホテル業に参入することを決めたのです。」こうして〝ホテルステノ〟が誕生し、その名前の由来(ステノはギリシャ語で未来・先進という意味)のとおり、老舗レストランは新たな未来を切り開くことになります。そして、このホテル業進出が、飲食業面でも社員のサービス資質を上げ、さらには社長の新たなアイディアを生むきっかけになっていくのです。

 

 

 顧客のニーズを発掘し、さまざまな個性ある店舗を展開

「がんこ家」笠原店

がんこ家のメニュー「活イカ」

 同社は、ホテルステノを開業して5年後、ひたちなか市に当時としては画期的な形態の店を出します。それは屋台村「がんこ家」。一つの建物内に様々な種類の屋台を並べ、顧客は好きなメニューをそれぞれの屋台から注文し、会計は一括処理という方式でした。店内はお祭りの中にいるような雰囲気で、口コミで反響を呼びました。さらに3年後には水戸芸術館内に「レストランENDO」を出店、上品な雰囲気は結婚式の披露宴にもよく利用されました。
 この2つの店舗は、賃貸借契約期間満了により現在は営業していませんが、これらの店舗を出店する前後の平成7年に、和食飲食店部門を主営業とした会社「株式会社プロスパー」を分社設立、個性ある店舗を以下のように次々と出店することになります。

 

 【㈱プロスパーの出店状況】

 平成 9年 7月 魚旬「がんこ家」(赤塚)・・・活イカを始めとした旬な魚類を提供
 平成13年11月 元祖「いろはに食堂」(末広町)・・・リーズナブルな定食類を提供
 平成15年11月 魚旬「がんこ家」(笠原)・・・赤塚店と同様
 平成17年 5月 董風「梅み月」(見和)・・・豆腐、常陸秋そば、地鶏等を提供
 平成17年10月 「焼きにく和牛食堂」(見和)・・・特選和牛を低価格で提供
 平成18年 6月 「元気家元 とん」(宮町)・・・こだわりの豚肉料理を提供


 以上の店舗は、同じ和風でも店の趣は全く異なります。ただ、全ての店に共通していることは、何を専門に扱うかが決まっていて、その食材にこだわりがあることです。そして、メインとなる料理以外のメニューも充実しており、顧客のニーズに応じて様々な食事を提供できることも特徴です。もう一つの特徴は、店舗が単に食事を提供する場所というだけではなく、顧客を楽しませる空間であることです。「梅み月」等は、昔の米蔵を改装して店内を一つの街並みに見立てる空間作りにしたり、「がんこ家」は旬の魚を入れた大きな水槽を店内に置いたりと、様々な趣向で顧客を迎えるのです。

 

 「我々は、食べ物を提供するだけでなく、〝おいしい空間〟をお客様に提供できたらと常に考えています。ディズニーランド程ではありませんが、外で食事をするということは一つのイベントなのです。」と遠藤社長。

 

 目指すは日本一の飲食店経営

キッチン内の様子 

 ホテルのレストランを含めると、7店舗の飲食店を営業しているステノグループですが、さまざまな種類の店を新たに出店するリスクについて尋ねると、「だって、どの店が一番繁盛するか楽しみじゃないですか。」と想定外の答えが返ってきました。
 遠藤社長は、この業界に就く前は、アメリカンフットボールの全日本キャプテンを務めていたそうです。そのせいもあるのでしょうか?非常にチャレンジ精神が強い方だなあという印象を受けました。その反面、安全な食材を提供するため仕入のほとんどは社長自らが行い、各店舗の厨房の冷蔵庫内を見ては無駄がないかチェックする等、各面で細心の注意を払っている点も見逃せません。
 また、店長等の幹部クラスへの指導も勉強会・会議・食事会等を通して密に行い、経営ブレーンの育成に努めています。
 
 さらに、「総合企画室」という、企画開発を行う専門部署を設け、綿密なマーケティング分析を行い、管理システムも構築、さらには広報物・ホームページも自主デザインで作成する等、経営戦略やPR活動が充実していることも目を引く点です。
 これらの活動を見ていると、緻密かつ大胆さが同グループの成長を支えているのだと痛感しました。

 

自主デザインの広報物

 今後の抱負は?との質問に「芸能界と飲食業界は似てるんです。つまりどちらも流行り廃りが激しい。ですから、今の位置に決して満足せず常に高い目線を持って、もっともっと謙虚に勉強していかなければならないと思っています。そして目指すは、日本一の料理店です。ハンバーガーではマクドナルドにかないませんが、そば店やうなぎ店等は店の数の割には当社も勝負できるチャンスがあると思います。狭い範囲でもいい、誰にも負けない分野を持つのが大きな目標です。」と語る遠藤社長。

 「プロスパー」という会社の名前のとおり、ますますの〝繁栄〟をご期待申し上げます。







 

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